今日(2月3日)は、節分の日。節分には「季節を分ける」という意味があり、立春(2月4日)の前日に鬼を払って新年を迎える行事のことを示します。
節分や豆まきに限らず、日本には古くから伝統行事や風習があり、今でも人々の暮らしの中にそれらが根付いています。家を建てる際の家相もそうですが、仏壇や神棚、地の神様、恵比寿様や大黒様、招き猫などを飾って縁起をかついだりと、家の中にも何かしら昔の風習が息づいています。そこで、実際に家づくりを計画する前に、神棚や仏壇、縁起担ぎの飾り物などの配置の仕方や決まり事についてご紹介します。
目次
■仏壇はどこに配置すればいいの?
仏壇はご先祖や故人を祀る場所です。新築時に和室を設ける場合には、床の間の隣に仏壇を配置するスペースを設ける場合が多いです。和室がない場合は、リビング等のご家族が集まり日々のお参りがしやすい場所にすると良いでしょう。よく人目につく場所に仏壇を設ける場合には、来客時に隠して置けるように、引き戸やロールカーテンを付けることもあります。
①配置する方角は?
仏壇を設ける方角は、厳密には宗派によって異なりますが、自由な向きで問題ありません。遠州地方に檀家が多い曹洞宗・臨済宗では、お釈迦様が説法をする際に南を向いて座っていたとされることから、お仏壇も南に向けて置くことが多いです。
②配置する際の注意点は?
日当たりが悪くて湿気が多い場所や、西陽が強く差し込む場所は、仏壇を傷める原因となるので避けましょう。また、和室に置く場合、床の間は上座、その反対側は下座にあたるので避けましょう。
■神棚はどこに配置すればいいの?
神棚は、神道の神様を祀る場所です。神棚には、神社から授かった「お神札(おふだ)」やしめ縄を祀って家族の繁栄や厄除けを願います。
神棚の祀り方には統一の形式はなく、地域や家庭によって祀り方が異なります。一般的に、神棚を安置する方角は、太陽が昇り一番に光が入ってくる「南向き」と、太陽が昇ってくる方角である「東向き」が良いとされ、大人が見上げる高さに配置します。2階のある家では、その上を歩くことのない場所に配置しましょう。もしもそれを避けられない場合には、神棚の真上の天井に「雲」「空」と書いた紙を貼ったり、神棚と天井の間に屋根代わりの板を一枚取り付けることで、無礼を避けられます。神棚も仏壇と同様に、暗くてジメジメした場所、直射日光があたる場所、トイレと背中合わせになる場所、人の出入りがある障子やドアの上は避けましょう。
●仏壇と神棚の両方を祀る際の注意事項
神棚とお仏壇の両方がある場合、同じ部屋で祀っても問題ありませんが、離れた場所に安置する方が良いとされています。ただし、神棚もお仏壇も「東向き」か「南向き」に設置するのが一般的なので、配置が近くなってしまう可能性が高くなります。その場合、次のポイントに注意しましょう。
・神棚と仏壇を向かい合わせに置かないこと
・神棚と仏壇を上下に配置しないこと
つまり、神棚とお仏壇を同じ部屋に置く際には、違う壁面を使ってL字型に配置するのが理想的ですが、もしも同じ壁側に並べて安置するのであれば、神棚をより部屋の中心に近い場所に祀ります。そして向かって左に神棚、右にお仏壇を安置します。
■地の神様の意味と配置の仕方
家を建てた後は、土地の氏神様をお祀りすることで、家内に起きる様々な厄事を鎮められるといわれています。そのため、地の神様を置いているのです。そのため、遠州地方では、敷地の北西の方角に「地の神様」という屋敷神を祀る風習があります。
地の神様の置き場所として最適な位置は、建物の北西の角に南向きまたは東向きに設置するのが良いといわれます。
■恵比寿様や大黒様の配置の仕方
大黒様は開運や財運、五穀豊穣、縁結びの神、恵比寿様は商売繁盛や福の神とされ、セットでお祀りすることが多いです。恵比寿様・大黒様の像は、向かって右に大黒様、左に恵比寿様をお祀りするのがポイント。可能な限り家の中心に配置し、正面が南向きもしくは東向きになるようにしましょう。リビングなど人が集まる場所がおすすめですが、真下を何度も人が通るような位置は避けましょう。
■安産祈願などのお札を飾る位置
安産祈願のお札などを飾る場合は、神棚があれば神棚に飾ります。神棚がない場合は、チェストや本棚の上などにお祀りする場合が多いです。神様に失礼のないよう、できるだけ高いところに置きましょう。置く際には、その場所をきれいに拭き清め、清潔な白い紙または白い布を敷いて、壁に立てかけるように飾ります。方角は、お札の文字の書いてある方が南か東を向くようにするのが一般的です。
■(おまけに…)招き猫の配置の仕方
招き猫は、商売繁盛の神として有名な置き物。右手を上げている招き猫は、主にお金や金運を招くことに効果があり、左手を上げている招き猫は、主に人を招くと言われています。両手を上げている招き猫は、お金も人も呼ぶというご利益があるとも言われていますが、両手を上げていると、破産や倒産を意味する「降参」の言葉を指すとも言われ、縁起が良くないともいわれます。
招き猫は、手の高さが高ければ高いほど、遠くの福や大きな福を呼び寄せるそうです。さらに、色によっても意味が異なり、白は開運招福、黒は家内安全、金色や黄色は金運・財運、赤は無病息災、ピンクは恋愛成就を意味します。
招き猫を置く場所は玄関が最もポピュラーで、玄関に向かって正面がくるように置くのがおすすめ。外から入ってくる金運や人を招き寄せられます。さらに効果を高めたい場合は、招き猫を人の背丈よりも高いところに置くと良いそうです。
■まとめ
神棚や仏壇などの配置は後から気づいて設けようと考えると、なかなか思い通りにならない場合が多いので、家づくりの際にはしっかり考えておきましょう。幹工務店では、家づくり計画の際に仏壇や神棚の必要性の有無を確認し、風習にのっとって配置を決めるようにしています。また、神棚を造作で設けることもよくあります。どうぞ安心してご相談ください。
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