幹工務店のスタッフのイチオシの素材やインテリア用品などを幅広くご紹介するコーナー。
今回は、トータルアドバイザーの仲尾の「推し」をご紹介します。
目次
私がアイアンを推す理由
私は、住まいのアクセントにアイアンのご使用をおすすめします。
実は、私の実家では鉄工業を営んでおり、子どもの頃からアイアンには馴染みがあったんです。当社に入社する前も家業を5年半ほど手伝っていたため、鉄の溶接や塗装などの経験があります。
とはいえ、当時は住まいのインテリアとしてアイアンを用いることは知りませんでした。そして、幹工務店に入社後、室内の手すりや階段などにアイアンを用いる機会があることを初めて知って、ますます興味が湧いてきたのです。アイアンは階段の手すりのほかにも、ペーパーホルダーや、ドアの取手、タオル掛け、テーブルの脚、オープンラックの枠など、インテリアの細部に用いることで空間のデザイン性を引き立てることができるため、お客様にもよくおすすめしています。
アイアンの魅力
アイアンの一番の魅力は、なんといってもアイアンならではの重厚感です。個人的には、無機質でひんやりとした感触も好きですね。また、高級感や繊細さも併せ持ち、ヴィンテージ調やアンティーク調のインテリアコーディネートにはぴったりな素材です。そして、何しろ鉄なので、壊れにくくて頑丈である点も特徴の一つ。無垢材とも相性抜群で、使い込むほど味わいや艶が出て、経年美を楽しめるのも大きな魅力です。
アイアンの無機質な質感と無垢材の柔らかな質感の組み合わせは、モダンでクラシックな雰囲気を醸し出します。無垢の空間にアイアンをアクセントとして用いるだけで、なんとなくおしゃれな雰囲気に仕上がりますよね。それ程、アイアンは木を引き立てる重要な相棒といえると思います。
お気に入りはロートアイアン
アイアンの中でも特に私が気に入っているのは、ロートアイアンです。ロートアイアンとは、ヨーロッパで発展した金工技法のことです。ロートアイアンは、炉に入れて、赤くなるくらいまで熱した鉄を、ハンマーで叩いたり、延ばしたり、曲げたりして多様な形へと形成していきます。そのため、同じ形のものは一つもなく、オリジナルの製品が出来上がります。ヨーロッパの建築では、門扉、フェンス、階段の手摺り、窓枠などにみられます。鋳物とは違って、ねじりや曲線等の自由な造形ができるので、ロートアイアンならではの味わい深い質感や温もり、重厚な存在感を感じられます。通常のアイアンに比べて費用はかかりますが、住まいの一部に取り入れれば、それこそ高級感や重厚感が増し、住まい自体の価値も高まります。
オリジナルのアイアンをご提案
当社では、アイアンの手すり一つをとっても、すべてオリジナルで、その住まいに合わせたサイズの手すりの図面を描いて製作を依頼しています。オリジナルなので、アイアンの幅や厚み、角度ももちろん自由自在です。例えば、上から見ると幅があるように見えても、横から見るとシャープに見えるようにしたりと、さまざまなアレンジが可能です。
また、幹工務店では、アイアンの手すりや階段などをお客様の住まいに取り入れるとき、普段からお付き合いのあるマスダテクノさんに製作を依頼しています。マスダテクノさんは「粉体塗装」という技術を採用し、錆びにくく塗装がきれいに仕上がる方法を採用しているので、当社でも自信を持ってお客様におすすめできます。
マスダテクノさんについてはyoutubeで社内の様子をご紹介していますので、そちらもご参考ください。
アイアンを取り入れた住まいの事例
最後に、当社でアイアンを採用した事例をご紹介します。
最近では、この事例のように、アイアンの手すりのラインがすっきり見えるようにデザインし、スタイリッシュに仕上げるケースが多いです。特にリビング階段を採用する際には、室内のアクセントとしてアイアンの手すりがよく好んで用いられます。
次に、このお宅では、住まいの雰囲気に合わせてアイアンの手すりを白にペイントしました。明るく清潔感があり、なおかつエレガントで重厚感も感じられ、とても素敵に仕上がりました。
そして、アイアン好きな私の自宅です。2階の廊下のブルーの壁とアイアンの手すり、ブラックウォルナットの床の組み合わせがとても気に入っています。
文:トータルアドバイザー 仲尾 久造(二級建築士)